つくドラ

インターネット
ラジオドラマ大作戦2
集まった原作

「門灯」

うみちゃん

客A:これってパソコンって言うんよね。
店主:ええ、そうですよ。
(店主心の叫び)それくらい見てわからんのか
客A:インターネットとか言うのもできるん?
店主:できますよ。
(店主心の叫び)当たり前だろ?
客A:ちょっとやらせてくれん?
店主:いいですよ。
客A:やり方わかんのじゃが・・・
(店主心の叫び)パソコンしらんやつにやり方わかってたまるか
店主:いいですよ、つないで上げます。
(キーボード操作音)
店主:はい、つながりましたよ。 どうぞ。
客A:へええ、これがインターネットか・・・(小声で)エッチな絵はどこにあるの?
(店主心の叫び)んなもんここで出せるわけねーじゃねーか バカ野郎!
店主:そういうのは・・ここで出すわけにはいかないんですよ。 まぁ、見たければ、ご自分で買ってから家でこっそりとどうぞ。
客A:ほら週刊誌なんかでさ、インターネットで援助交際とか、無修正のポルノとか手に入るって書いてあるじゃない? マスターもそういうのやってんじゃないの?
店主:(キレる)そがいなことはやっとらん! お客さん、そんなのが目的なら勝手に買うて勝手にやりんさい。 ここのパソコンはそがいな目的で置いとるんじゃないんじゃ。
客A:ムキになるところが怪しいでぇ
店主:もおええ! 金いらんから帰れ!
客A:(からむ)それが客に対する態度かぁ
店主:ええ、ええ! 出ていけ!
(ドア 荒々しく閉まる音)
客B:マスター、すごいねぇ
店主:(まだテンション高い)あっがいなバカは、はぁ来いでもええわ
女性客A:マスター、でも助かったわぁ。 うちらあの人全然知らんのにべたべたして気持ち悪かったんよ。
(メール着信音)ポーン メールが届いております。
客B:メールが来たとよ。
客C:おっ、彼女からじゃろー うらやましいのぉ
店主:バカ野郎 そんなのおるわけ・・・
客B:黙った・・・
客C:黙った。 やっぱりぃ
女性客A,B:(声そろえて)きゃー マスターもスミにおけんねぇ。
店主:(うろたえる)お、お、おまえらのぅ・・・
客全員:ひゅーひゅー
客D:どぉ、わしが代表で見ちゃる。 えーっと・・・
店主:バ、バカ、お前やめぇや。
(バチッ、ヒューという電源断音)
店主:へっへーざまぁみい。 もう読めんでー
客B:(軽蔑したように)ほいじゃがマスターも読めんでー 電源落としたけん、どこがいかれとるかわからん。
店主:わしはお前らとちごうて頭がええんじゃい。全部覚えとらぁ。
客C:マスターが覚えられるんなら大した内容じゃないのー
客全員:大爆笑
店主:お、お前らのぉ・・・まぁええわ 気分もようなったし、飲め!今日はおごりじゃ
客全員:やったー! マスター太っ腹!
客B:ほいじゃが、どがいな内容じゃったんかのぅ
客C:ムキになったんは怪しいで
女性客B:やっぱり女の子じゃったんじゃないん?
客B:ほうよ、絶対に女じゃ
店主:(照れて)お、お前ら、えーかげんせーよ

(閉店後 店の片づけの音とキーボード音)
店主:やってしもーた・・・客は逃がすし、メールはぶち壊れとる・・・あーあ
店員:マスター、ちいとはてつどうてくださいよー。
店主:ああ、わりぃ。 すぐやるわ。
(立ち上がる音、食器を洗う音 フェードアウト)

(翌日 街の喧噪 喫茶店のドアベルの音)
ウエイトレス:いらっしゃいませー
ゆきえ:こんにちは・・・あ、紅茶ください。
ウエイトレス:かしこまりました。
店主:久しぶりだね。 突然メールが来たんでびっくりした。 どう?あれから仕事は?
ゆきえ:あなたもずいぶん宣伝してくれたから・・順調よ。
店主:普通のOLだったきみが、SOHOから始めて今やプロバイダの社長さんだもんな
ゆきえ:そういう言い方やめてくれる?
店主:ごめん。 な、ぼくたちは・・もうやり直せないのかな?
ゆきえ:うん・・あのころと違って仕事も順調で余裕も出てきたし、そのことでもう一度話し合いたくて、メールしたんだけど・・・
店主:じゃ、少しは考えてくれる?
ゆきえ:今はまだ・・すぐに答えが出せそうになくて・・もうちょっと待って。
店主:だって今、話し合いたいって・・・
ゆきえ:それはそうなんだけど・・・(小声)もう少し待って
店主:わかった。 待つよ。 じゃまたメールくれるかな? 待ってるから。
ゆきえ:うん、そうする・・

(夜 店主の店 常連のざわめき)
客D:(小声で)夕べのメールのぉ・・・わし半分見たんよ。
女性客A:えーっ ほんまねぇ?
客D:ゆきえちゃんじゃった・・・
客B:ゆきえちゃんって・・あの?
客D:ほうよ、社内LANのメール交換がばれてマスターの首が飛んだ・・あの事件のゆきえちゃん。
女性客B:あれはどっちも悪くないじゃん? 私ゆきえ先輩に同情しちゃった・・・
客C:あれは・・あのときの課長が横恋慕してメールを張り出したから・・
客D:まぁ、あくまで噂じゃが、課長も飛ばされたけん、あながちウソでもないじゃろう。
客C:ラブラブじゃったもんのう。 わしもうらやましかった。
店主:(意地悪そうに)ほうよ。 ほいじゃけん今でも忘れられんのじゃ。
客C:わぁ!びっくりしたぁ。 いつからおったん?
店主:わしの店じゃもん、いつでもおるよ。
一同:爆笑
(メール着信音)ポーン メールが届いております。
(ざわめき止まる)
客B:ゆきえちゃんじゃ。
女性客A:絶対そうよ!
女性客B:ほら!マスター早く見て!
(ゆきえのメール)
たかしさん
(女性客Aの声:マスターってたかしさんっていうんだぁ)
(客Bの声:静かにしてろ)
もし、神様が許してくれるなら・・もう一度、一からやり直したい。
もう、お互いにずいぶん歳をとったけど・・・
時間がずいぶん経ってしまったけど、今からでもやり直せるなら・・・
(女性客Bの声:ね、マスター泣いてるよ)
(客Bの声:静かにしろって)
今、お店が見えるところまで来ています。 
客B:おい、探しに行こう
(ドアの音)
客B:ゆきえちゃーん!
女性客B:ゆきえせんぱーい!
(メール続く)
たかしさんが私を受け入れてくれるなら、もう一度門灯に灯りを入れてください。
女性客A:門灯って?
客C:ドアの横の電灯、いっつも消えとるじゃろ? ずっと前、ゆきえちゃんが来るってメールが来たときだけあれをつけたんじゃ。
店主:おい、浩二、門灯のスイッチ入れろ。
店員:もうついとります。
客D:マスター、もう消さんでええね。
女性客B:(息せき切って)マスター!ゆきえ先輩、見つけたよ!
ゆきえ:たかしさん・・・
店主:ゆきえ・・もう・・離さない・・絶対に!
客C:おーし!今ここで結婚式やっちゃえ!
客B、D:そうだそうだ!
女性客A:もちろんマスターのおごりよね!
店主:お・・お前ら・・
(一同の笑い声)

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