参考資料

これは、山口県の比較的大きな都市の公立高校に勤務する高校教師へのメールでのインタビューの内容です。

質問 @少年犯罪の原因と考えられることは?(教師の立場で)
回答 ・親が子供を甘やかしすぎ。
「三つ子の魂百まで」の諺のとおり、小さい頃に我慢(自分の思い通りにならないことが世の中にはたくさんある、ということ)をしつけられていない子供が増えた。「受験のストレス」なんてのは自分たちの頃にもあったから、今の子供が我慢をしなくなったと考えざるを得ない。

・地域社会が子供を叱れなくなった。
親が子供を甘やかすようになった、つまり「自分の子供を叱らないでちょうだい」と言うようになってしまった。近所付き合いも減ってしまい、わがままな子供がいても、誰の子供だか分からず、叱ると何をまた言われるか分からないため、近所で子供をしつけられなくなってきた。

・学校が子供を甘やかしすぎ。
「子供の権利条約」は大変結構なことだが、権利には義務も伴うことを教えていない。ただ、親の「教育方針」に逆らうことも難しく、またそれこそ「親の私もぶったことないのに」という親が増えてしまったため、思うように指導できない。

・情報伝達スピードが上がった。
マスコミが事件を取り上げ、それを早く広範囲に伝えることが出来るようになったため、岡田ゆきこの自殺事件直後に自殺が相次いだのと同じく、ナイフを持っている子供が使いたくなってしまったのかも。
また体罰を教員がしてはいけないことを子供が知っていることも一つの要素ではないだろうか。

・テレビ番組とかゲームが原因だとは思わない。
が、そういう画面の世界が子供の知っている唯一の世界になったのかもしれない。
私たちの子供の頃は、ゴレンジャーを見ても、無差別に「ブルーチェリー!」なんて弓を向けたりしなかった。「太陽に吠えろ!」を見て、エアガンで人を撃ったりしなかった。
要は、そういう仮想の世界と現実の世界の区別をつけられるだけの環境が周りにあったのだと思う。従兄弟と山の中を走り回ったり、友達と公園でドッジボールしたり、そういう遊びがあって、ケンカをしたりケガしたりしながら、どうすれば人が喜び、人が悲しむのかを学習できたのだ。
質問 A生徒が恐ろしいか?
回答 うちの生徒は恐くない。前任校の生徒も恐くない。なぜって、ちゃんと話ができたから。それなりの信頼関係を作っているし。ただ、日頃何を考えているのか分からない奴は恐い。それこそ、何の理由もなしで人を切りつけたりするのがいるのだから。全員(教員だけでなく、一般人も)護身用に分厚い何とかチョッキを着なければならない日も来るかもしれない。
質問 B学校としての対策を何か講じたか?(持ち物検査とか)
回答 していない。
質問 C教育現場に責任がある、という意見に対しての弁明
回答 性格のほとんどが決まってしまう乳幼児期に愛情を与えられなかったり、思いっきり甘やかされて育った子供に対して、児童期以降にしか責任の持てない学校現場で何が出来るだろうか? 何もしないわけではないけれど、限界が存在するのは確か。一日のうちのたかが8時間学校にいるだけで、残りの大部分を過ごす家庭の責任の方が絶対大きい。学校で我慢を教えても、家庭でまたすぐに甘やかされれば、どうしようもない。
ちょっと暴論になるが、言っても分からない子供に、それでも諭せと言えるか?体罰には反対だが、「悪いことをしたら鞭打ち」っていう国もあるし、そういうふうなある種の「抑止力」がないと、「先生わしらが殴っても殴り返せんじゃろ」とつけあがる連中が絶対に出てくる(現に存在するだろう。幸運にも、直接見たことないが)。求む・抑止力。
質問 D教師としてできることは何か?
回答 諸般の法律によって、教員はどのような正当な理由があっても「力」に頼ることは出来ないため、道理で攻めていくしかない。そしてその道理を伝えるためには、教員が道理に乗っ取って教育活動に当たらなければならない。子供たちの話を聞き、気持ちを理解し、それでもだめなことはだめ、と言えるような人間関係を築く努力を怠っていてはいけない。
しかし、そのような努力を行っても、他人とのコミュニケーションが苦手な子供や、はなから話を聞くことの出来ない子供とも信頼関係を築けというのはかなり酷。教師として出来ることには限界があり、また私のような独り者なら少々の自由(夜を徹して話をするとか、どっかで一緒に遊ぶとか、そういう意味で)もあるけれど、家庭のある教員にそういうのを求めにくい。
しかし、せねばならないのに変わりはない。

 1.毎日子供たちの顔を見る。
 2.出来るだけ毎日話を聞く。
 3.子供たちをほめる。子供たちと一緒になって喜ぶ。
 4.子供たちを道理で叱る。子供たちと一緒に考える。

でも、これって学校の教員がすべきと言うより、保護者が行うべきことでもあるんだよね。
質問 Eその他
回答 日本国政府にお願い。教育予算を削らないで。一クラス当たりの生徒の数を減らして。
保護者にお願い。ちゃんと保護者になって。命の大切さと、世の中自分の思うようにいかないことの方が多いことを子供たちに教えて。

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