| 添付録 | 美術館さんぽ | 11 | 執筆者:「鳥の足」コート |
11.自分の土俵(名画の基準B)
ルーブルに行った翌日、泊まっていたのがバスチーユ界隈でホテルから程近いということもあり、ピカソ美術館に行ってみました。
ピカソ美術館はその名の通りパブロ=ピカソの作品を集めた個人美術館で、旧市街のちょっとしたお屋敷を改装して(といっても床とか壁の一部だけでほぼそのまま)使っている美術館です。
青の時代からはじまり各時代の作品がどれも秀作ばかりが集められています。
さすがの一言。
ところで、前回「モナリザ」が世界一の名画と言ったのですが、ピカソ美術館に来てピカソの仕事を眺めて一つわかった事があります。
ピカソの作品を眺めながら「モナリザ」を思い出しても「格落ち」しないのです。
なぜなら、土俵が違うから。
比較の対象にならないのです。「モナリザ」と比較できるのは、比較可能な、同じ土俵に立った作品との間でです。しかし、これらピカソの仕事は全く別の土俵で行われている行為なのです。だから、新しい土俵で、別の価値体系の中で評価されるものなのです。「モナリザ」とピカソの作品を比較する事は、おそらく不可能でしょう。
こうすることによって、ルネサンスの呪縛から逃れることができたのかもしれません。
そして、この逃走の手段を、自らの世界を、そして新しい芸術の可能性を開いたからこそピカソの作品は「名画」なのでしょう。
99/09/07
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