添付録 美術館さんぽ 5 執筆者:「鳥の足」コート

5.強風警報

「今日の風は弱いよ」と友は言う。
ベビーカーで連れて来ているそいつの1歳になる赤ちゃんは
風上に顔を向けていると息が出来なくなるから、私がその子
の前に立っているのだが、それでも「今日の風は弱い」らしい。

ここは宍道湖畔、島根県立美術館。美術館の庭がそのまま湖
畔に面していて水辺まで降りられる。現代的なユーモラスな
オブジェが芝の中にニョキッと足っていて、なんとなく水辺
までおりてきた。
振り返ると、湖面からの「弱い風」に吹き付けられ、美術館
の建物はひしゃげた白銀のババロアのよう。
展覧会を見てみると、水にまつわる作品を集めた特別展は、
ルネサンス期からの作品がまとまりよく集められ、さすがは
柿落とし。常設展でも、写真部門などはいわゆる写真の歴史
を追える代表的作家たちの作品をきっちり押さえてある。
そういえば島根にはどっかに写真美術館もあったはず。福山
の人はくそリアルなジオラマが好きみたいだけど、島根の人
は写真なのかな?

全部見て回るとかなり時間がかかってしまった。が、絵を見
ていると、たまに遠くから「あ〜〜〜〜ん!!」という赤ん
坊の泣き声が・・・。子供連れは大変らしい。


99/05/14

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