| 添付録 | 生き物歳時記 | 10 | 執筆者:すや |
野生植物の危機
この盆休みに里帰りをして、思わずナツエビネの群生
地を発見して狂喜乱舞しました。いえ、けっして大袈裟
ではないんです。それほど見つけるのが困難なのです。
元から稀であったわけではありません。昔はその辺の
山に行けばいくらでも生えていたといいます。
ナツエビネ
http://www.asahi-net.or.jp/~qr3c-sym/natuebine.html
エビネ
http://www.asahi-net.or.jp/~qr3c-sym/ebine.htm
キエビネ
http://www.asahi-net.or.jp/~qr3c-sym/kiebine.htm
では、どうしてこうなってしまったのか…。
色んな所に出かけ、花の撮影をしながらふと思うことが
あります。
「私はなんでこんなに苦労して○○という花を探してい
るんだろうか。」
もちろん環境の変化によって少なくなっていき、希少に
なってしまったものが多いのですが、ついついその怒り
の矛先を向けてしまうのが、野生の花を持って帰る人に
なのです。殆どの場合、一人一人が持ちかえる株の数
はたかが知れているのですが、皆が皆、同じ考えでいて
もらっては困るのです。「私一人ぐらい…。」という考えは
厳に戒めてほしいものです。ですからやつ当たりを承知
の上ですが、「趣味の園芸」とか聞くと、ついついこめか
みの上あたりの血管がプクッと浮きあがったりします。(^^
しかしもっと許せないのが、商売にしたり仲間内でのつま
らぬ競争心で根こそぎにしてしまう人。
最近、N○Kで北海道はアポイ岳でも貴重な野草の盗掘
をレポートする番組がありました。そこでは園芸業者に卸
す為、組織的に山取り(山などの自生地で採取すること)
をするとのこと。最初私は、野草なんて栽培して増やした
ものを販売すればいいのに、と思っていたのですが、山取
りの方が遥かにコストが安く済むとのことらしいです。なかに
は容易に栽培できないものもあるとのことなので、そんな事
情が盗掘に拍車をかけているのでしょう。このような状況を
少しでも改善するために、条例によって種ごとの規制を強
化し、園芸店などにも種ごと個別の販売許可証を交付す
るところもあるそうです。アツモリソウなど、この方法によって
効果があったと聞いています。
しかしそうなると、どうしても水面下へ潜ってしまうのがこの世
の常。特に○○同好会と称するものの中には、かなり悪質な
連中がいるとのこと。これは聞いた話ですが、そういった同好
会のメンバーの一人がエビネの自生地を見つけ、そこで自
生していたエビネを根こそぎ持ちかえり、自生地をチラリほ
のめかしながら仲間にこううそぶくのだそうです。
「いや〜。生えていた全部を掘って帰ったが、素性の良い2〜
3株を残して全部捨ててしもうたわ。」
これを聞いたとき、もう何といっていいのかわかりませんでした。
極端な話、別にエビネが絶滅してもわれわれが生活してゆく
中で、毛ほどの痛みを感じることは無いでしょうし不便におもう
こともないでしょう。前回の添付録で紹介したヒゴタイにしたっ
てそうです。しかし、1種の生物にはそれを必要とする生物が
何種かある筈で、それらの生物の生殺与奪の決定権を自分
たちが握っていることの重要性に気づいてほしいものです。
私達人間に見えないほど大きな存在(神なんて言うつもりは
ありません)に、自分やその家族の生き死にを決められてしま
うなんて想像もしたくありません。
最後に、そんな状況の中で、いつ消え去ってしまうかもしれな
い自生する花々を紹介しておきます。
コケイラン
http://www.asahi-net.or.jp/~qr3c-sym/kokeiran.htm
ミズチドリ
http://www.asahi-net.or.jp/~qr3c-sym/mizutidori.htm
トキソウ
http://www.asahi-net.or.jp/~qr3c-sym/tokisou.htm
サギソウ
http://www.asahi-net.or.jp/~qr3c-sym/sagisou.html
99/08/18
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