| 添付録 | なんでもあり記 | 17 | 執筆者:ふかだ |
公務員の大幅削減は可能か−2
実は,もっと大きな問題は,国全体としての雇用の問題ではないかと思います。国家公務員の総数は115万人。その2割だと23万人の削減ということになります。かりに地方公務員も同程度に削減するということであれば,両者を合わせた削減総数は88万人にも及びます。これらはただでさえ厳しい雇用情勢に,決定的なマイナス効果を与えることは明白です。
諸外国では,不景気=失業なので,雇用の問題は最重要課題として考えられるようですが,どうも日本では景気の問題ほどには深刻に語られないようです。それは日本は1953年以来最悪の失業率を記録したといっても4.4%で,好景気にわくアメリカと同程度でしかないためでしょう。しかし,この低い失業率は,企業がかなり無理をして雇用を維持していることによって支えられています。不況が長引き,企業が雇用を支えきれなくなると,さらに解雇者は増え,失業率は最大の懸案と化すことでしょう。
この雇用確保という観点からは,むしろ公務員数を増やして,雇用を維持するということを考えるべきではないかとすら思います。なぜなら,日本の人口1,000人当たりの公務員数(国家公務員、地方公務員、政府企業職員の計)は,小さな政府といわれるアメリカやイギリスと比べても,なんと半数程度でしかありません。これは,日本が世界有数の小さな政府を実現しているのではなく,日本の行政サービスがいかに貧困なのかを示すものではないでしょうか。特に教育や福祉の分野ではそうでしょう。
どうも公務員というと能率の悪いサービスの典型で,削減・効率化すればすべてよしと考えられているふしがあります。確かに日本の公務員制度は,まだまだ多くの欠陥を抱えています。しかし,だからといって行政サービスを細らせればすべてよしとはいかないでしょうし,教育や福祉分野が効率だけではないこともまた確かです。行政サービスをどのように改善し活用していくのかという前向きの議論が必要のように思います。
1999/1/2
| 前回 | インデックス | 次回 | 感想はこちらへ | ホーム |