添付録 大ちゃん日記 55 執筆者:大ちゃん

海を大切に

青い海を後世に残そうというかけ声が掛けられる。
それは、良いことだとみんなが思う。
何とかしようと思ったら、何処を見てもゴミだらけだった。
海は、この頃近くにはない。
海岸線がずっと続いているというのに、海が遠い。
殆どの海岸は、コンクリートで固められ、遠浅だった浜辺は、いつの間にか陸になり、岸壁には、波が打ち付けている。
ずっと昔は、確かここでアサリを採ったはず。
そう思って思い出してみても、そこには、もう家が建っている。
松林だったところには、道が走り、軽快に車が走っている。
広い道路、快適な公共空間、そんなものと引き替えに一体何を失ってきたのか。
得たものの大きさと失ったものの大きさを今となっては、比べて見ようもないが、海が遠くなったという思念だけは、頭の片隅にいつまでもこびり付く。
白かった砂浜、光っていた海。
そばに寄るだけで心躍っていたあの波打ち際は、一体何処へ行ってしまったのだろう。
それとも単に、記憶の中で洗われただけの想い出でしかないのだろうか。
何処にでもあったはずの、何の障害物もない、広い砂浜。
松林だって何処までも続いていたようなそんな記憶しか残っていないのに。
砂浜だったり、玉石だったり、岩だらけだったりした、何処までも長い海岸線は、一体いつの間に無くなってしまったのだろう。
青い海を大切にしよう。
何処までも続く浜辺と、何処までも続く松林。
白い波が、いつまでも映えるそんな想い出の中の海を大切にしよう。
せめて、子供達には想い出の海だけでも持たせてあげられるように、残った海を大切にしよう。


99/01/26

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